夏のイライラを東洋医学で考える|夏のイライラ原因と養生法

「最近、些細なことでイライラする」
「暑くなってから、気持ちが落ち着かない」
「家族や職場の人に強く当たってしまい、あとから反省する」

夏になると、普段よりも感情が揺れやすくなることがあります。

暑さによる疲れや睡眠不足、食欲の低下なども関係しますが、東洋医学では、夏特有の体の変化や「気」の乱れも、イライラにつながると考えます。

この記事では、夏のイライラを東洋医学の視点から解説し、毎日の食事や暮らしに取り入れやすい養生法をご紹介します。
 

東洋医学では夏のイライラをどう考える?

東洋医学では、自然界の変化と人の体は深く関係していると考えます。

季節ごとに影響を受けやすい五臓があり、夏は「心(しん)」と関係が深い季節です。

ここでいう「心」は、心臓という臓器だけを意味するものではありません。

東洋医学における心には、血の巡りだけでなく、意識や感情、睡眠、精神の安定などに関わる働きも含まれます。

暑さによって体に熱がこもり、心の働きが乱れると、次のような状態が現れやすいと考えられています。

  • イライラする
  • 気持ちが落ち着かない
  • 焦りやすい
  • 寝つきが悪い
  • 眠りが浅い
  • 夢をよく見る

夏に気持ちが高ぶりやすいのは、性格や気持ちの持ち方だけが原因とは限りません。

暑さによって体の中のバランスが乱れ、感情にも影響している可能性があります。
 

「気」の巡りが滞るとイライラしやすくなる

東洋医学では、気は不足するだけでなく、流れが滞ることもあると考えます。

ストレスや緊張、我慢が続くと、気がスムーズに巡らなくなり、感情も外に流れにくくなります。

気の巡りが滞った状態を「気滞(きたい)」といい、次のような状態が現れることがあります。

  • イライラしやすい
  • 怒りっぽくなる
  • ため息が増える
  • 胸や喉がつかえるように感じる
  • お腹が張る
  • 気分に波がある
  • 気持ちの切り替えがうまくできない

暑さや疲れが続く夏は、それだけでも体に負担がかかります。

そこに仕事や家事、人間関係のストレスが重なると、気の巡りが乱れ、イライラとして表れやすくなります。
 

夏のイライラには「香りのある食材」を

東洋医学では、気の巡りを調整する働きには「肝(かん)」が関係すると考えます。

ここでいう肝も、現代医学における肝臓だけを指す言葉ではありません。

気や血を全身に巡らせ、感情をのびやかに保つ働きも含まれています。

肝の働きが乱れると、気持ちが張りつめたり、怒りや不満をため込みやすくなったりすると考えられています。

特に、次のような状態が続いている人は、気が滞りやすくなっているかもしれません。

  • 我慢することが多い
  • 自分の気持ちを後回しにしている
  • 気分転換ができていない
  • 呼吸が浅くなっている
  • 心も体も緊張している

夏のイライラを整えるためには、体を休ませるだけでなく、ため込んだ気を穏やかに巡らせることも大切です。
 

しそ

爽やかな香りが特徴で、食欲が落ちているときにも取り入れやすい食材です。

刻んで冷ややっこやそうめん、肉料理などに添えると、食事全体がさっぱりと仕上がります。
 

パクチー

独特の香りがあり、エスニック料理やサラダ、スープなどに使われます。

好みは分かれますが、香りを楽しみながら食べることで、気分転換にもつながります。
 

セロリ

爽やかな香りと、ほのかな苦みが特徴です。

サラダだけでなく、スープや炒め物にすると食べやすくなります。
 

みょうが

夏らしい爽やかな香りがあり、薬味として手軽に使えます。

冷ややっこ、そうめん、みそ汁、酢の物など、いつもの食事に少量加えるだけでも取り入れられます。
 

柑橘類

レモン、ゆず、すだちなどの爽やかな香りも、気分を切り替えたいときにおすすめです。

果汁だけでなく、皮の香りを楽しむのもよいでしょう。

香りのある食材は、一度にたくさん食べる必要はありません。

いつもの料理に少し添え、香りを感じながらゆっくり食べることも、夏の養生のひとつです。
 

薬膳師おすすめ|ごまと薬味を添えたそうめん

食欲が落ちやすい夏に、薬膳師がおすすめするのが、ごまや薬味を加えたそうめんです。

そうめんだけで簡単に済ませるのではなく、ごまと香りのある薬味を加えることで、夏の養生を意識した一皿になります。

おすすめの組み合わせは、次のような食材です。

  • そうめん
  • 白ごま、またはすりごま
  • 青じそ
  • みょうが
  • 小ねぎ

ごまの香ばしさに、しそやみょうが、生姜などの爽やかな香りを組み合わせることで、食欲がない日にも食べやすくなります。

薬味はすべてそろえる必要はありません。冷蔵庫にあるものを少しずつ組み合わせるだけでも十分です。

香りを感じながらゆっくり食べることも、滞った気を巡らせ、気持ちを切り替えるための養生になります。
 

気持ちを切り替える時間を、毎日のリチュアルに

夏のイライラを感じたとき、無理に感情を抑え込む必要はありません。

まずは、暑さや疲れによって心身の余裕が失われていないか、少し立ち止まってみましょう。

香りのある食材を取り入れる。
深く呼吸する。

ほんの数分でも、自分のために気持ちを切り替える時間を持つことが、夏の養生になります。

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イライラを無理に抑えるのではなく、まずは自分の心と体に目を向ける。そんな小さな習慣から、夏を穏やかに過ごすリズムを整えてみませんか。